沼の始まり。

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今から一年とちょっと前の2016年の12月は、同じ火曜ドラマ枠「逃げるは恥だが役に立つ」が、世の脚光を浴びていた。もちろん私も視聴していた身で、毎週火曜はまっすぐ家に帰って観ていた。第1話の冒頭なんて、「あれ、情熱大陸だっけ?」と自分のボケを疑ったくらいだった。第6話エンディングのキスシーンでは、「星野源やりよったぞ!?!?命狙われないか!?大丈夫か!?」となったものだった。(ちなみに”Yellow Dancer”はマジハイパー名盤。Week End最高。)

多様な人物たちの葛藤・生き方の肯定を、キャスト・スタッフの皆さんが私たちに提示してくれたから、老若男女が楽しめたのでしょう。Twitterでの賑わいも凄くて、#をつけて検索すれば「そんな解釈もあるのですね。勉強になります。押忍。」と、様々な人たちの意見を知れて更に面白みが増した。あの3ヶ月も本当楽しかったな~。

 

もともとドラマを観るのは好きだったのだが、逃げ恥までは「面白おかしく観れればいいや~」ぐらいだった。しかし、逃げ恥を観て野木亜紀子さんが「ラッキーセブン」「空飛ぶ広報室」も脚本していたことを知り「マジリスペクトっす。これからも付いていきます、野木先生。」と、脚本や演出の大事さに気付かされた。

逃げ恥は、私にとって、”ドラマを観る基準に脚本・演出も加えられた”という風に、ドラマの観方を変えてくれた素晴らしいドラマだった。

 

カルテットの放送を知ったのは、逃げ恥10話後の初ティザー公開。

「はぁー来週で逃げ恥終わるのかー、毎週火曜の楽しみ無くなるじゃん…」と絶望していた矢先、ピアノの旋律と共に引きの画に変わりながら高橋一生松たか子満島ひかり松田龍平と四人が現れ、松たか子が「嘘つきはおとなの始まり」と謳い文句を言う。

 

そして、脚本は坂元裕二。野木さんの時と同じように調べてみるともう発狂。

「Mother」、「最高の離婚」、「問題のあるレストラン」と私が大好きな作品ばかり。

鼻息を荒くしてカルテットの放送開始を待ち侘びていた。

 

ティザーの時点で心がザワザワしてはいたが、この時の私は、

この後思いもよらぬ、時間と財産(お金)を費やすとは思いもしていなかった。

 

 

放送開始からは、カルテットを観るためにあの3ヶ月を生きていたと言っても過言ではない。1話から、かなりのめり込んで観ていたしTwitterでたくさんの人の感想を見て楽しんでいた。

カルテット沼に深く引きずり込まれたのには、ヒコさん(青春ゾンビさん)のカルテット考察ブログの存在も忘れられない。確か、2話の考察を初めて読んで「この人、何者…?」と訝しんで1話の考察も読み、この人の考察は最終話まで読もうと決意した。ヒコさんの考察ができるまでは、自分でも考察して楽しんだ。

 

ここまで、意味の分からぬ文をつらつらと書いてきたが

「何故、私がカルテットをここまで好きになったか、心の支えになったのか。」

を以下に。

かなり私情が絡むので人に見せるものではないのだけど、

「カルテットご存知ですか?

え、ご存じないですか?

じゃ、ちょっとそこのカフェに入りましょう。

説明して差し上げます。」

と、道行く人に、頭のおかしな絡みをしたい衝動に駆られるので、気持ちを吐き出します。

 

時をさかのぼって、2016年の1月頃、私は自暴自棄な生活を送っていた。

やりたいことが分からなくなり、やるべきことを何一つしていなかったクソ野郎だった。

そんな訳で、親に説得され”実家に帰って少し休もう”となった。

そんな準備を進めている中、2月、私の唯一の理解者であった祖母が亡くなった。私はずっとばあちゃん子で、悩み事があれば電話していたし甘えてばかりだった。ばあちゃんが喜んでくれるなら何でも手伝いした。

ばあちゃんの作る鯖寿司と豚の角煮が大大大好物だった。

実家に帰って、一緒に住めると思っていたのでかなりショックだった。

だけど、ずっと悲しんでいても何も進まないので、様々なところに旅行することにした。ばあちゃんが幼少期の私を抱っこしている写真と一緒に。

京都、奈良、瀬戸内海の豊島・直島、パリ、ベルギー、ベトナムなどなど。

半年ほど休みをとって、落ち着いたので復帰することにした。休みをとっていたことで周りの人とは関係が遠ざかり、復帰しても新しい環境に慣れることができなかった。

 

そのような時期に逃げ恥→カルテットの流れが重なったのである。逃げ恥も上記のようにかなり面白くて好きなのだが、カルテットは最早そんな範疇を超えた。

 

簡単に言うと、私が寂しくしていた時にあの4人が現れた。

 

嘘で出会ったはずなのに、強い結束で結ばれ、さらには夢を叶えた4人が羨ましかった。3話のカツ丼のシーンなんて何回観たことだろう。すずめちゃんに、ここがあなたの居場所だと言ってくれる真紀さんがいて良かった。くじけたり、やりたくないことをやらなきゃいけないときは、5話の控室のシーンを何回観たことか。演奏するフリをしていた4人は最後にあの大きなホールで胸を張って演奏したではないか。本当に凄い。9話のすずめちゃんから真紀さんへの言葉は一生忘れない。過去というしがらみを捨て、一緒に過ごす今を大切にする。私も大切な人ができたらそうでありたいと思えた。

上記のように、Twitterの賑わいも一緒に観ている人がこんなにたくさんいるのかと嬉しかったし、ヒコさんのブログも凄く私を勇気づけてくれた。

 

言葉にできないような温かい気持ちが、

あの3ヶ月、そして今も心に充満していて、病み病みの私を救ってくれた。

あの4人のような仲間に私は出会えるのでしょうか、出会いたいな~。

 

あ、今の生活はカルテットに出会う前よりは少しイイ感じです。

 

カルテットに携わったキャスト・スタッフゥ~の皆さんには感謝しかない。

とともに、ここまで沼に引きずり込んだチームカルテットは罪だ。

聖地巡礼もした。DVD・サントラ・シナリオ本購入した。マジで金使った。

でも気持ちのいい使い方。私が支払ったお金が、松さん・ひかりちゃん・龍平君・一生さんの生活の一部になっているかも?と考えるだけで私はハッピーハッピーオッパッピー!

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私の夢は、

「カルテットのキャスト・スタッフ、カルテットファンの方々と一緒に(人数無制限)、

 大きなスクリーンで1話~10話まで観ること」だ。

 

 

もし、最後まで読んでくれた人がいるなら、ありガトーショコラ。

文を書くこと勉強しよう。